II.オールジャパン!その3

      − − 前号からの続きです − −  オールジャパン?で臨んだ第2回WBCでの侍ジャパンの優勝は久しぶりに明るく、とても感動的なニュース  でした。    さて、今回は社会保障制度について考えてみたいと思います。    様々な調査によれば多くの人が将来が不安だと答えています。新成人に対するアンケートでもこんな回答が  あるわけですから、ある意味ビックリしてしまいます。やはり、この国の社会保障制度に不安を感ずる人が  多いのが根幹のような気がします。将来の不安が大きすぎては、お金を使う気にもなれません。    もちろん、倹約や節約は大事なことですが、行き過ぎてしまえばこれもまた問題です。内需拡大と政府は  言っても、個人消費は掛け声だけでは盛り上がりません。    社会保障制度といってもその範囲は非常に広く、「どこまで」ということが大きな課題ではあるとは思います。  医療、介護・育児、年金、子育て、失業者問題、障がい者支援・・・とあげればきりがないかもしれません。    まず、どの分野について、どの程度の制度設計をするのかが問題です。高福祉高負担がよいのか中福祉中負担  がよいのか、それとも低福祉低負担でもかまわないのか。    どんな制度設計を行うにしても常に財源の問題がからんでくるのも頭の痛いところです。    例えば、北欧のある国では高福祉高負担という制度が国民から多くの支持を得ています。その代わり、日本で  いう消費税の税率が非常に高いのも事実です。しかしながら、国家に対する信任が非常に厚いため、税金と  いうよりは国に貯金しているような感覚だといいます。 しかも、国家としてそういった制度と平行して、  きちんとした成長戦略も持っています。  というよりは、成長戦略を高福祉社会という制度が支えているといったほうがふさわしいかもしれません。    どんな制度設計を行うにしても国民のコンセンサスが最も大切だということは述べるまでもないでしょう。  もちろん、政府の果たす役割が非常に大きいのも事実です。そうなると、政府としてのきちんとした戦略を  説明すべきでしょうし、私たちも私たちの意見が反映されるような努力はすべきでしょう。    すべてを政府丸投げということではなく、私たち一人ひとりで何かできないのかということを考えてみる  のにもよい機会だと思います。

(税理士 浦邊 謙佑)


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