II.大和生命破綻!! かしこく生命保険を選ぶには
大和生命(やまとせいめい)が破綻しました。なぜそんなことになってしまったのでしょう。 その前に先月号でも取り上げた保険会社の有配当の生命保険について再度見ていきましょう。 保険会社は保険料を預り運用します。予定利率は予め決められていますが @高い利率で運用できた A保険会社の経費がかからなかった B保険金支払が少なかった ことにより予定より利益が多く発生した場合に配当が発生します。 @の利回りだけを返す商品を「利差配当」、配当が無いのが無配当といいます。配当は 保険会社の資金の運用方法により大きく異なります。有配当商品は、「予定」した 保険金・利率に加えてプラスアルファの利益を配当で対応します。このことは金利上昇・ 経済環境好転時にプラスオンの可能性があるということですが経済環境の悪化で配当が 望めなくても予定利率はマイナスになるわけではありません。 次になぜ大和生命は破綻してしまったのでしょう。その原因の一因は大和生命の高コスト体質 にあるといわれています。 予定死亡率は基本的にどの会社も同じであるはずです。だとすると、高コストの会社が、 他の社と同様の予定利率や配当の商品を売るには資金の運用で利益をあげるしかない のです。 そこで大和生命はヘッジファンドやデリバティブなどのハイリスクハイリターンの金融 商品資産の運用を行っていました。契約者の一人が「私たちから保険料を集めてバクチを やっていたのか」という意見があったのも印象的でした。 そのため最近の株価の大暴落により破綻したのです。 保険会社が破綻しても生命保険の契約者は、保護機構により保障の大部分は保障される ようになっています。しかし、解約は制限され予定利率も下げられる可能性があります。 生命保険を選ぶ場合には商品だけでなく、会社の財務内容まで見る必要があるといえそうです。(税理士 浦邊 謙佑)