II.生命保険の“配当”について ちょっと考えてみませんか?
ここ1、2年新聞記事等で“運用環境好転で○○生命が配増”“財務体質の改善で生保増配” などといった記事を見かけませんか。金利の上昇気配等、保険を取り巻く環境も変わってきて いるようです。投資をしている方は、「株式の配当」には関心があるかも知れませんが、 「生命保険の配当」について知ることも保険商品や保険会社の選択には大切かもしれません。 外資系の生保は「株式会社」という会社形態ですが、日本国内の大手生保は、ほとんどが 「相互会社」という会社形態です。有配当商品を主力とする相互会社の仕組みを見ていきま しょう。皆様がお支払いする保険料は、保険会社があずかり、保険料を保険会社が予定して いたより@高い利率で運用できたA保険会社の経費が浮いた(利益が出た)B危険(保険金支払) が少なかったの@ABの利益(剰余)が予定より発生した場合に契約者に戻すのが配当です。 《3利源配当》 @の利回りだけを返す商品を「利差配当」、配当が無いのが「無配当」Aのように保険会社の 業績(利益、財務内容)も配当に還元されるわけです。(会社が利益を上げて株主に配当する 株式投資の配当に似ています。会社選びも重要。)Bのように実際の保険金支払いが予定より 少ない場合保険契約者に配当が戻されるのです。(経済環境だけでなく平均寿命が伸長する 時代は配当も戻りやすい)配当金=有配当商品のポイントは、@「予定」した保険金・利率に 加えて+αの利益を配当で対応⇒金利上昇・経済環境好転時にプラスオンの可能性があり、 状況の変化に柔軟に適応。経済環境の悪化で配当が望めなくてもマイナスになるわけではあり ません。A既に保険加入の方にも平均寿命の伸長によるメリットを還元⇒昨年4月多くの保険 会社が平均寿命の伸長により新規加入保険の保険料率を下げました。 配当はこのような「長生きメリット」を既にご加入の契約者にもお返しできる可能性が あるのです。(税理士 浦邊 謙佑)