I.高齢者のいきいきライフをお手伝いします!
知合いの方のお話です。80歳代の女性が歯科治療のためのまとまった費用が必要になり自分の貯金を
おろしてきて欲しいと同居のお嫁さんに頼みました。しかし、女性が普段つかっている郵便貯金に残高
はほとんどありませんでした。
息子さんが不審に思い、母親の引出しを見ると投資信託や保険の書類がでてきました。
母親に聞いても、契約した覚えはないということです。どれも大手の証券会社や保険会社の商品でした。
お嫁さんが電話で問い合わせをしましたが、個人情報保護の関係で何も教えてもらえず、息子さんが休暇
をとって窓口までいって問い合わせをしました。何年か前にお母様がご本人で契約なさったとのこと
でした。でも、お母様はそのことを全く覚えておらず、どの印鑑を使ったかもわかりません。結局、
息子さんは現金をおろしてあげることができませんでした。
お母様は普段は自分の身の回りのことはきっちりとできています。でも、何年か前から少し物忘れが
ひどくなっていたようで、判断力もやや衰えていたようでした。
また、保険金の受取人等についてもお母さんの意思が反映されたものではありませんでした。満期金の
受取開始時期も90歳になってからという契約でした。
ご高齢者の方にとっては、現在の金融商品はあまりにも多種多様で自分のニーズにあったものを選別
するのは容易なことではありません。
金融関係の法律もいろいろ改正されてはいますが、それを守る側の意識がかわらなければ意味が
ありません。
個人情報保護法のもとに、身内でも必要な情報は教えない。一方、高齢者に商品を売るのに、本人の
ニーズを全く考慮せず形式だけの書類にサインをさせてよしとする。そんな会社がまだあるのも事実です。
成年後見や保佐制度等の高齢者の大事な財産を守るための制度がある事などを教えてあげると、
そんな事は今まで知らなかったと感謝していただけました。
親の財産を非課税で生前に贈与する制度、高齢者の財産を活用した融資制度等、高齢者をとりまく
様々な制度がありますが何をどのように活用すればいいかを判断するのはとても難しいものです。
是非身近なFPにご相談してみてください。
(CFP 廣崎 英子)
II.数字に強くなる=数字にだまされない!!
7月号の?のうち、先月号で検討できなかったものがありますので続けます。「ポイント還元と
現金割引」の問題です。冷静に計算すれば、ポイント還元率=現金割引率であれば、現金割引の
ほうが割引率が高くなります。一応計算してみます。例えば、10万円の商品で20%とします。
現金割引の割引率は額面どおり20%です。一方、ポイント還元では、10万円支払って2万円分の
ポイント。つまり、10万円で12万円分を買ったことになります。計算してみると10万円÷12万円=0.83
ですから、割引率は17%ということになります。簡単なことにもかかわらず、どうして私のような
行動をとってしまうのでしょうか?
実際の店頭での表示はもっと複雑です。「現金割引○%さらにポイント還元」というような感じ
でしょうか。これではすぐ判断ができません。さらにクレジットカードを使用した場合のポイント
も考慮しなければいけません。 電化製品を購入して、そのポイントで旅行に行くなんてことは
今や当たり前です。結局、かなり複雑な計算になってしまうわけです。
前回、「アイフォーン3Gが$199」ということを取り上げました。この199という数字も実は
曲者です。なんとなく、200よりは安く感じますが、本当にそうでしょうか?実は、$180
でもよかったのかもしれません。しかしながら、個人的には、おそらく$180より$199の
ほうが購入意欲がかきたてられる可能性が高いと思います。なんとなく説明しにくい部分はあります
が、買い手側の心理を分析した結果です。よく、調べたわけではありませんが、こういった手法は
研究され尽くされているはずです。
話は、ポイント還元に戻りますが、多くの店舗でポイント還元が定着しています。ということは、
おそらく現金割引を利用する顧客より、ポイント還元を選択する顧客が圧倒的に多いことが予想
できます。ということは、店舗サイドでは、現金割引よりポイント還元の仕組みのほうがより売上を
上げる効果が高いと判断していることにもなります。
(税理士 浦邊 謙佑)
III.ブログで書くメッセージボード
お昼にいつも通る道沿いに喫茶店があります。
ランチメニューの横の黒板に、メッセージが書かれています。その内容は「バーゲンに行って
きました!」とか「花火大会の季節ですね〜」といったお店の人の近況で、1週間に1度ぐらい
のペースで書き換えられているようです。ランチの内容と値段が並べられている横に文章が
書かれていると、つい立ち止まって読んでしまいます。
字もきれいで丁寧に書いてあり、日常的な話題なのでお店の人に対する親近感が出てきます。
同じ通りには他にも喫茶店があったり、そば店や中華料理店もあります。その中で、メッセージ
ボードが1枚あるだけで他より少し親しみやすいお店を演出していると思います。
企業のWebサイトでも、新着情報としてトップページに製品のリリース情報などを載せている
ケースが多いですが、更に、社内で最近起きた出来事や季節ごとの挨拶文を掲載することにより
親近感を持ってもらえる効果が期待できます。
このような「旬の情報」は更新が滞ってしまうと逆効果です。HTMLを修正したりアップ
ロードする作業が煩わしい場合は、ブログに書き込んでRSSをサイトに表示するようにすれば
書く人の負担も軽減されるでしょう。ブログサービスにはRSSフィードを配信する機能や、
携帯電話から記事を書き込める機能を提供しているものなどもありますので、使いやすい
サービスを選びましょう。
(Webデザイナー)
IV.あなたは夫(妻)の扶養になれるのか?
よく「主人の扶養に入るには、年間いくらまで稼いでいいの?」というような扶養に関する質問を
うけます。この「扶養」という言葉、税金と社会保険とは基準が違うということを整理してみましょう。
まず、「所得税」の控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で次の4つの要件全てに
当てはまる人です。
(1)民法上の規定の配偶者であること
(2)納税者と生計を一にしていること
(3)年間の合計所得金額が38万円以下であること
(4)原則として、青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと
又は白色申告者の事業専従者でないこと
(3)の収入要件は、給与所得だけなら、年間103万円以下となります。
次に、「社会保険」の被扶養者(妻・夫の場合)と
は、被保険者の配偶者(戸籍上の婚姻届がなくても事実上、婚姻関係と同様の人を含む)で主として
被保険者に生計を維持されている人のことです。この「主として生計を維持している」の収入要件は、
認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害者の場合は180万円未満)となります。
比較すると、年間の収入額、戸籍上の配偶者でなければいけないのか否か等基準の違いがおわかりかと思います。
これ以外にも所得税の「配偶者特別控除」などがあり、思い違いをしていることも多いので、一度
確認したほうがよいかもしれないですね。
(社会保険労務士・JCDA認定キャリアカウンセラー)
V.サマータイム制度の導入??
まだまだ残暑が続きますね。水分補給を忘れずに、この暑さを乗り切りましょ!!
ところで皆さんは『サマータイム制度』をご存知でしょうか?
この制度は、夏の間だけ一時間時計の針を進めて太陽の出ている時間帯を有効に利用しよう、という
目的で作られた制度です。朝の涼しい時間帯から仕事を始められるため、冷房の使用料を減らすことが
できます。また明るい時間帯に仕事が終わるため照明をつける時間も減らせます。
明るいうちから活動し、夜は早く就寝するようになるため、省エネルギーや環境の面でメリットが
あるとされているようです。
しかし、デメリットとして就業時間が早まっても残業する時間がさらに増える可能性がある点、
夏時間〜通常時間への切替作業に労力がかかる点、生活のリズムが狂うため睡眠などの人体への悪影響
があげられます。
『サマータイム制度』はすでに70カ国以上の国で実施されています。最近行われた洞爺湖サミットで
は福田首相が地球温暖化対策に力を入れる姿勢を表明した事もあり、日本でも『サマータイム制度』の
導入が検討されています。皆さんは賛成派、反対派?今後の動向に注目しましょう!
(FP 小池 裕美)