I.お店の売上をのばすテクニック         (2)顧客ウオンツの発掘

 前回はアンケートを行って、お客様のニーズをつかんで、お店の売上げにつなげようというお話を  しました。  今回は顧客ウオンツについて、考えたいと思います。ニーズは表面的な要求、ウオンツは潜在的な  要求とも言いかえられます。  ちょっと抽象的な言い方ですね。  たとえば、スカートを買いに来たお客様がいたとします。お客様は流行のスカートが欲しいと考えて  います。これが表面的なニーズです。たいていの女性はスカートを何着も持っています。なのに、  お客様はなぜ新しいスカートが欲しいと思ったのでしょう。太ってサイズが合わなくなった?デート  のため?職種がかわって、いままでの洋服では雰囲気があわない?流行の先端にいたい?ストレス解消?  スカートが欲しいというニーズの裏には、細くみせたい、ストレスを発散したい等の本人も気づいて  いない要望が隠れているかもしれないのです。  お客様とのコミュニケーションの中でそれを掘り起こすのです。「こちらのスカートもよくお似合い  ですが、そちらのワンピースも、ほっそり見えてお似合いになると思いますよ」「こちらのスカートに  そちらのトップスを組み合わせるとイメージが変りますよ」等、お客様自身が気づいていなかった欲求  を掘り起こすことができれば、お店の売上げをあげるだけでなく顧客の満足度があがるという、両者に  とってよい結果をもたらします。  飲食店のサービスについても同じです。ただ空腹でカレーを食べたいお客様に普通のカレーを出すのは  ニーズを満たしているにすぎません。ダイエットカレーやメイドさん風の女の子がカレーを運んで  くれるなど、カレーを食べたいと思っていなかった人や空腹でないお客様にまでカレーを食べたい気に  させる。それがウオンツの発掘です。

(CFP 廣崎 英子)

II.数字に強くなって得しよう!!

 前回「数字に強くなる」というテーマを取り上げました。その中で、「私は数字は苦手だから」という  方には、数字に対する意識を変えていただきたいと申し上げました。とはいえ、簡単なトレーニングは  必要です。せっかくトレーニングしたのに何の役にも立たなかった。ということでは、意味がありません。  そこで、「数字に強くなって・・・」という目標を立ててみてはいかがでしょう。  何でもかまいません。仕事に役立てて・・・、投資で稼ぐとか節約をする。数字に強くなって、生活が  豊かになった自分を想像してみるのも楽しいものです。生活が豊かになる=お金持ちになるでもいい  でしょうし、お金の上手な使い方がわかった、上手に時間配分ができるようになって自分自身の余暇の  時間が増えたでもよいと思います。要は、精神的なゆとりが生まれるということが一番です。  具体的には、大雑把に「生活」、「ビジネス」、「投資」の三つくらいに分類してみるとイメージ  しやすいと思います。  そういえば、前回はどういうわけか「生活」をテーマに具体的な事例を取り上げました。  では、?について触れていきましょう。  最近話題になった米アップル社のアイフォーン3G。テレビなどでご覧になった方も多いはずです。  米ドル表示で$199。日本では、98円や980円といった数字をよく見かけます。なんとなく、  $200と表示されるより割安と感じてしまいます。  次は、値札の書換えと何%引きの問題。実は、どう表示しても価格は同じになるはずです。例えば、  5千万円のマンションのチラシ。2%引きと表示されていてもピンときません。100万円引と表示  されていれば、あれこれ考えます。登記費用・手数料とかいろいろな費用に充てられるなとか家具に  さらに予算を回せるなとか。  数字といっても、価格にまつわるものを取り上げたに過ぎませんが、価格の表現の仕方だけで売り手側  は、購入者の心理を巧みについてくるわけです。

(税理士 浦邊 謙佑)

III.インターネットの眼で世界を見る

 1990年代、ケンブリッジ大学のコンピュータ研究室にあるコーヒーメーカーの様子がWebで配信  されました。研究員がポットのところに行かなくてもコーヒーの残量がわかるようにするためだった  そうですが、当時は「こんなこともできるんだ!」と話題になっていました。その後インターネットが  普及するにつれて、Webカメラもいろいろなところで使われるようになっていきました。  カメラを遠隔操作することもできるようになりました。自宅のWebカメラを操作し外出先から携帯  電話などで留守宅の様子を監視できるサービスといったものもあります。  観光地の展望台や風景のきれいな場所にも、誰でもWebを通して操作しながら見ることができるカメラ  が設置されていたりしますね。横浜市のサイトにも、ベイブリッジや赤レンガ倉庫、マリンタワーと  氷川丸といった横浜港の風景が見渡せる「横浜ライブカメラ」があります。           http://www.welcome.city.yokohama.jp/tourism/live_camera/    Webカメラは、高速道路の渋滞の様子や、レジャー施設周辺の天候、サーフポイントの波の状況などを  チェックできる実用的な面もあり、遠い土地の風景やどこかの会社のペットなどを間近にあるように観賞  できる媒体でもあります。もし、多くの人に見せたい被写体が近くにあったら、配信する側になってみる  のも面白いかもしれませんね。

(Webデザイナー 三嶋 由紀江)

IV.仕事中の熱中症には気をつけましょう!

 今年は梅雨明け前から連日の暑さですね。昨年の猛暑を考えると、今年の夏の暑さ、どうなるのか不安に  思う方も多いと思います。  最近では周知されてきた「熱中症」。昨年、労働時間中、熱中症の死亡・休業事故は東京労働局管内で22件  もおきています。  屋外での作業だけでなく屋内での作業中でもおきることも。  <昨年の熱中症が原因の死亡・休業事故発生事例>   ・既存ビルでシート防水端末のシーリングの施工中、休憩のため座り込んだ後、眼の焦点が定まらず、    心肺停止状態→熱中症により死亡(建設工事業)   ・そば屋の厨房作業が終了し、更衣室で着替えた後、気分が悪くなる→熱中症により休業7日(飲食店)   ・マンション建設現場で交通誘導の警備業務を行っていたところ、昼過ぎになって手が震えだし痙攣→    熱中症により休業1ヶ月(警備業)  また、熱中症まではいかないものの、私も昨年夏、クーラーのきいた屋内と炎天下の屋外の出入りを繰り  返し、具合が悪くなったことがあります。  では、熱中症による事故を防ぐために会社は、どうすればよいのでしょうか?   ・日よけや通風をよくするための設備の設置や作業中の適宜散水   ・水分、塩分の補給のためのスポーツドリンクや氷、冷たいおしぼりなどの物品の備付   ・十分な休憩時間や作業休止時間の確保   ・作業開始前、作業中の巡視による作業者の健康状態の把握  もし、かかってしまったら、涼しい場所で安静にし、水分をとらせ、直ちに病院で医師の手当てを受け  させましょう。  健康に仕事をして、楽しい夏休みを過ごしましょうね。 (参考資料:東京労働局労働基準部労働衛生課パンフレット)

(社会保険労務士・JCDA認定キャリアカウンセラー 後藤 雅世)

V.国際情勢を知らない恐ろしさ

 最近「ホテルルワンダ」という映画を見ました。  この映画は1994年アフリカ中部にあるルワンダで、フツ族とツチ族の民族対立による武力衝突を描いた  作品で、フツ族過激派がツチ族やフツ族穏健派を120万人以上虐殺するという実話を基にした物語です。  ホテルの支配人である一人の男性が、民族に関係なく多くの人をホテルに匿い、自分の命を懸けて多くの  人を救いました。あまりにも惨く傷ましい映画でした。  ルワンダ紛争が起きていた当時、私は中学生でこのような紛争が起きていた事実を知りませんでした。  映画を見て何も知らずに生活していた自分が恥ずかしくなりました。映画の中で国際社会がルワンダを  見捨てる場面があります。実際日本でも「ホテルルワンダ」に対して、どの配給会社も劇場も関心を  示さなかったそうです。しかし世界で映画が評価されるようになって、一部の映画評論家やファンの  呼びかけにより署名運動が始まり、徐々に公開されるようになったようです。  民族紛争や宗教間の争い等は、当事者でなければ何の解決にもならないのかもしれません。しかし、  私たちは国際情勢を知っておく必要があると思います。メディアがなす役割はとても重要なのだと認識  させられました。まだ見ていない方はぜひご覧下さい。

(FP 小池 裕美)