III.本当は難しいシステム統合

 「世界最大級」とも言われている三菱東京UFJ銀行のシステム統合ですが、先日、セブン銀行のATMで  旧東京三菱のカードを使った引き出し等ができなくなるというトラブルが発生しました。  これまでにも、大手銀行の統合や証券取引所の処理件数の変更、空港のシステム入れ替えなどで  大規模なシステム障害が起きています。  システムの統合や変更は、一からシステムを設計し開発するよりもずっと難しいと思われます。  統合するということは、既に完成し稼動しているシステムを繋ぎ、連動させ、データを共有する  のですから、それぞれのシステムの一部を壊したり作り直したりしなければならないでしょう。変更  も、そのデータを扱う他の機能や他のシステムとの受け渡し  が全て正確に行われるためには何箇所も変更する必要があり、一箇所でも漏れていると全体が  動かなくなる可能性もあります。  小さな会社の顧客管理DBなどでも、あとから他のシステムと統合したり機能を追加すると新規開発  以上にコストがかかってしまう場合があるかもしれません。合併や性能向上という理由であればその  時点で統合や変更をすることになりますが、顧客数の増加や事業の拡大に伴うデータの追加など、  将来的な変更が想定できるのであれば、最初から組み込んでおくのが得策です。  新規にシステム導入を検討されているなら、事業計画の練り直しから始めることをお勧めします。

(Webデザイナー 三嶋 由紀江)