I.確定申告に思う その2
前回に続いて確定申告のエピソードです。
今年サラリーマンの方に大きな影響があったのが、税源移譲による住宅ローン控除の申告制度の変更
です。今までは会社で年末調整をすればよかったのですが、市町村に申告をしないと控除額が減って
しまう場合がでてきました。
各市町村での広報や対応もまちまちで、うちの事務所でも何件もお問い合わせをいただきました。
こちらで年末調整等をやらせていただいているお客様については、市町村への計算書も作成して
お知らせしましたが、普段、税理士事務所やファイナンシャルプランナーとのおつきあいがあまり
ない方の中には、制度の変更に気づかずに還付をうけられなかったかたが多数いらっしゃるのでは
ないかと憂慮しています。所得税の還付申告は5年間さかのぼってすることができますが、住民税
の住宅ローン控除については3月17日までに申告することが要件となっていますので、気がついた
ときには申告期限を過ぎていたなんていう場合もあったのではと思います。
また、住宅の買い替えによる損益の通算に関して、たった1つだけ要件を満たさずに、300万円
以上の還付が受けられなかった方がいらっしゃいました。買い替えをする前にご相談いただけたらと
本当に残念に思います。
医療費控除の計算等は比較的簡単なものですし、国税庁のホームページを利用すれば税額計算も正確
にできます。でも、何を医療費にしてよくて何を医療費にできないかについては結構悩んだりします
よね。子供の学校へ寄付をすれば寄付金控除が受けられるなんていうのも以外と知られていません。
税理士やファイナンシャルプランナーってなんか、敷居が高そう、こんなこと聞いたら恥ずかしい
なんて思わずに、是非生活のいろいろなことを相談していただけたらなあと思います。
(CFP 廣崎 英子)
II.何やってんだ(`д´)
とうとう、ガソリン税の暫定税率が失効しました。国の予算は、既に自然成立しているわけですから、
歳入=収入が決まらないまま歳出=支出が決まってしまうという極めておかしなことが起こる結果
になりました。
しかしながら、その他の点については、国民生活に多大な影響を与えるということから与野党で合意
が行われました。その内容については、国税庁のホームページで公開されています。
「税こそ政治」というテーマを先月取り上げましたが、実は、昨年の大連立構想には消費税の増税が
大きなテーマの一つだったのではないかという観測が根強くあります。「増税みんなでやれば怖くない」
といった発想でしょうか?しかし、それでは困る。しっかり論議を尽くした上で我々国民にも きちん
と説明をした上で民意を問う=選挙というというステップが必要ではないでしょうか。大連立 という
安易な選択は、わが国にとって極めて危険なこと、極論すれば自爆行為になってしまう。
日本は民主主義国家のはず。残念ながら?政権交代のない国でもありますが、昨年の参議院選挙の結果
も全く無視されてしまうということにもなりかねません。
ねじれ国会の中での税制の論議を通じ、あきれた実態が次々と明らかになっています。もちろん、
大きく評価できることです。だからといって、期限までに一定の結論に至らないのはなぜか。
海外からは、「何も決められない国」とか「何が起こるかわからない国」といった評価を受けている
ようですが、もっとものような気がします。なにしろ、国会は3月中、事実上の空転状態。あわてた
結果の与野党の合意。あまりにも遅すぎて、税制に絡んで、右往左往する事業者や消費者・地方公共
団体を多く生み出す結果になったわけです。
そもそもガソリンの値段は、税金だけが原因で決まるものではない。もっと広い視野で、論議が
行われることを期待したはずでしたが、残念な結果だったようです。
(税理士 浦邊 謙佑)
III.Webブラウザの栄枯盛衰
Webブラウザ「Netscape」のサポートが3月で終了になりました。メーカーは「Firefox」への移行を
推奨しています。
10年ほど前までは、最先端の技術を駆使し圧倒的なシェアを持っていた「Netscape Navigator」。
Microsoftの「Internet Explorer」との対立や、訴訟や買収など、これまでの歴史を振り返ると、
まさに諸行無常、盛者必衰・・・という感じですね。
現在、主流となっているのは「Internet Explorer」ですが、その他にも「Firefox」「Opera」など、
様々なWebブラウザが存在しています。
Appleの「Safari」Windows版の正式リリースや、「Internet Explorer」「Firefox」のバージョン
アップにより、今後更に多くのブラウザが混在する状態になります。新しいブラウザは処理速度が
飛躍的に向上し、表示の方式にも変更があるようです。
Webサイトを制作・運営する側としては、最新の技術も使いたいけれど従来の環境でも納得できるもの
を作りたいと思います。いくつものブラウザ環境に対応する処理を入れたり、表示確認をしたりする
作業は考えるだけでも大変ですが、ひとつの拠りどころとしてはW3Cによる勧告があります。
W3Cは1994年に発足し、Web技術の標準化を推進し、規格を勧告してきました。コンテンツを
作る際にもこれに準拠することで、どこにでも通用するものが作れるということになります。
作成したサイトがW3Cに準拠しているかどうかを調べることもできます。例えば、以下のサイトで
書式などのチェックを行うことができます。
HTML検証 http://validator.w3.org/
CSS検証 http://jigsaw.w3.org/css-validator/
このようなツールを活用し、Webブラウザの栄枯盛衰にも動じないサイト制作を心がけたいですね。
(Webデザイナー)
IV.熟年離婚増加の原因?
離婚時の年金分割制度について
平成20年4月1日より離婚時の厚生年金の分割制度(3号分割制度)が開始しました。今回は簡単に
制度をご紹介します。
(合意分割制度の概要:平成19年4月1日より実施)
次に該当した場合に当事者の請求により、厚生年金の保険料納付記録を当事者間で分割することが
できる制度です。
@平成19年4月1日以後に離婚した場合や事実婚関係を解消した場合
A当事者間の合意や裁判手続により年金分割の割合を定めている
B請求期限を経過していない
(3号分割制度の概要:平成20年4月1日より実施)
次に該当した場合に国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、平成20年4月1日以後の
相手方の厚生年金納付記録を2分の1ずつ、当事者間で分割することをできる制度です。
@平成20年4月1日以後に離婚などをした場合
A平成20年4月1日以後に国民年金の第3号被保険者期間があること
上記に該当する方が多大な労力をかけて年金分割をしても、分割を受けた方(多くは妻)が厚生年金
にまったく加入したことがないと、分割を受けた年金はもらえなかったり(分割して増えた方が
年金をもらえなくても分割されて減った方の年金は減らされます!)ということもあります。
くわしく知りたい方は住所地管轄の社会保険事務所に「こっそり」確認しましょう。
(社会保険労務士・JCDA認定キャリアカウンセラー)
V.taspoの効果って?
未成年者の喫煙防止対策として2008年よりスタートする“taspo”みなさんはご存知でしょうか?
今後はtaspoカードがないと自動販売機でのたばこの購入ができなくなるんです。
カードの手続きの流れですが、まず申込用紙に必要事項を記入し、本人確認ができる書類のコピーと
顔写真を同封して社団法人日本たばこ協会へ郵送します。2週間程度でカードが送られてくるようです。
カードは発行手数料、年会費は無料との事です。
もし有料であれば作成する人は少ないと思いますが。実際taspoカードは喫煙者に浸透するのでしょうか?
私が感じる問題点として
@カードが未成年者に渡ってしまえば問題は何にも解決しない。
Aお店では今までどおり購入できればカードをわざわざ作成する人は少ないのではないか。
では、私が思う対策
@自動販売機に限定せずたばこが買えるお店等すべてでカード提示を必須とする。
A指紋認証システムを導入して、未成年者の購入を防ぐ。
そのくらいしか思いつきませんでした。
ちなみに私は非喫煙者なのでtaspoとは無縁ですが。
taspoの導入をきっかけに禁煙者が増えたら効果はあるのかもしれませんね!
(FP 小池 裕美)
VI.税額150万減のナゾ!