U.税制知らないと損!

これから本格化する平成20年度の税制改正論議。 話は少しそれますが、現在開会中の臨時国会を見てみると、この原稿を書いている時点で成立した法案は ゼロ。参議院で第一党を民主党が占める「ねじれ国会」のもと、私たちの生活に密着した年金や税制の 課題は宙に浮いたままという感じです。 前回は、消費税を中心に取り上げてみましたが、それ以外でも自民、民主両党は、道路特定財源の取扱いや、 証券優遇税制の存廃などを巡って鋭く対立しています。 しかしながら、考えてみると、こういったねじれ現象を選択したのは私たちです。税制の問題は非常に複雑 かもしれない。でも、私たちもきちっと(ある程度でもいいと思います)勉強をした上で議論し、自分自身 の意見を持っておく必要があるのではないでしょうか。 例えば、自民党が法案を衆議院に提出し、その法案は可決されました。しかし、参議院では否決。さあ 困りました。法案成立については、いろいろな手法があるでしょう。ただ、間違いなく問題になるのは世論 の動向。そう、今までとは違って私たちの意見を無視するわけにはいきません。 税金の問題は、その人の立場によっていろいろな考え方があると思います。ただ、確実に申し上げることが できるのは、税制を知っている人が得をする仕組みになっているということです。逆に言うと、知らない人 は損をしているかもしれないのです。税理士試験では計算問題が出題されます。そこでの指示は、「税金が 一番安くなるように計算しなさい」となっています。そう、国も税金を多く払えなんて決して言っていない わけです。 実は、その存廃が論議されている証券優遇税制をはじめ、国も多くの優遇措置を用意しています。せっかく 用意してくれた優遇措置です。ぜひ、活用したいものです。 でも、そんなの難しそう。いえいえ、そんなことは全くありません。専門家を上手に使えば良いのですから。

(税理士 浦邊 謙佑)