U.どうなる税制?

先の参議院議員選挙で与党は大敗。その結果、参議院では議席の過半数を確保できませんでした。 「どうやって、税制は決定されるのか」については別の機会で触れたいと思っていますが、今回は別な視点 から考えてみます。 税制といえば、一番の関心事は消費税の問題でしょう。いつ上がるの?何%になるの?おそらく、皆さんの 多くも消費税の増税論議は避けて通れないという認識をお持ちだと思います。 さて、福田新総理・新総裁の人事に注目が集まったことは、記憶に新しいところです。その人事とは、党政 調会長に谷垣氏、幹事長には伊吹氏という布陣でした。谷垣氏といえば元財務大臣。消費税については、 増税論者です。伊吹氏は、元大蔵官僚。既に衆院代表質問で年金財源で消費税引き上げを示唆しました。 どうやら、消費税本格論戦モードに入ったようです。 繰り返しになりますが、参議院では与党は議席の過半数を持っていません。ということは? 当然、民主党に目がいきます。民主党の税制調査会会長は誰って?現在は、藤井裕久氏。藤井氏は、かつて 細川・羽田両内閣の下で大蔵大臣を務めた方。ちなみに、大蔵省出身。また、細川総理といえば、未明の 会見で「現行の消費税3%を廃止し、国民福祉税7%を導入する」と突如表明したことで物議をかもし出した方。 当の藤井氏はテレビ出演も多く、ご存知の方も多いはず。非常に政策通という印象があります。 次の衆議院議員選挙に向け、消費税の問題は封印するのかなと思っていたところ、自民党は早々と消費税の 問題を提起してきました。対し、民主党はどう対応するのか。ともかく、民主党、特に今後の藤井氏の 発言等からは目が離せない状況です。ここは、是非ともキッチリ議論して欲しい。もちろん、まず増税 ありきということではなく。 十分な議論をした上で、それぞれの案を示し、民意を問うというのは、いかがでしょうか。 もう逃げないで、堂々と。

(税理士 浦邊 謙佑)